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浴槽通信
2026年1月16日
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  空間を自由に描く。フリースタンディング浴槽のある暮らし

近年、浴室をただ「体を洗う・浸かる場」としてではなく、暮らしの中の「癒しの空間」として楽しむ人が増えてきました。忙しい日常の中で、ほっとひと息つける場所として浴室を整えたい―そんな思いから、浴槽そのものを主役にする「フリースタンディング浴槽(据え置き浴槽)」が選ばれることもあります。

浴槽を部屋の中央に置くと、その存在感はまるでインテリアの一部。浴室を「風景」や「シーン」として捉えるなら、フリースタンディング浴槽は、まさにその中心的な存在となります。

フリースタンディング浴槽の魅力

●視覚的な広がりと空間演出

浴槽が壁から離れて設置されると、浴室の四方(壁・天井・床)に余白が生まれ、視線が広がります。実際の面積以上の解放感が得られるだけでなく、浴室まわりに導線や空間を確保することで、家具やグリーン、照明などを組み合わせた演出も可能に。バスルームが「室内の一角」として、より豊かな表情をもつ空間になります。

●自由なレイアウト設計

壁際の制約にとらわれず、窓際や浴室中央、景色を活かしたコーナーなど、ライフスタイルに合わせた配置が可能です。浴槽を挟んで前後に動線を設けたり、左右どちらからもアクセスできるよう設計したりと、使い勝手の工夫も自由自在です。

●デザイン性と質感の多様性

鋳物ホーロー、鋼板ホーロー、人工大理石、アクリル、木、陶器など、素材や仕上げの選択肢も豊富。中でも鋳物ホーロー浴槽は、厚みのある曲線美と手に馴染むなめらかな表面が特徴です。肌触りのよさは入浴時間をより豊かなものにし、重厚感のある質感は浴室に高級感を添えてくれます。

●メンテナンス性・お手入れのしやすさ

壁から離れて設置するため、浴槽の外側まで手が届きやすく、湿気対策や乾燥作業もスムーズ。設置の際に、床との接し方や掃除道具が届くスペースを工夫しておくと、日々のお手入れがぐっと楽になり、美しさを長く保てます。

選ぶとき・設置時の注意点

●重量と床強度への対応

フリースタンディング浴槽は壁で支えられない構造のため、床が浴槽の重量を受け止めます。材質にかかわらず、満水時には200〜350L程度の水が加わるため、床の耐荷重設計を事前に確認しておくことが重要です。

●排水・給水・配管ルートの確保

浴槽が壁から離れている場合、給水・排水管を浴槽の位置まで延ばす必要があります。壁付け浴槽なら壁の裏で配管できますが、フリースタンディングの場合は洗い場とは別に浴槽専用の排水ピットや排水スペースを設ける必要があります。施工時には配管ルートをあらかじめ計画し、排水の傾きや点検口の確保など、後々の使い勝手も考慮して設計することが大切です。

●設置後のメンテナンスのポイント

フリースタンディング浴槽を長く美しく使うには、設置後の手入れのしやすさも意識しておきましょう。外側まで拭きやすい素材か、隙間に水がたまりにくい構造か、床の排水性が確保されているかなどを確認しておくと、清潔で快適な空間を保てます。

フリースタンディング浴槽を暮らしに取り入れるアイデア

●窓際に配置し、外の景色と一体化するよう演出

●浴槽まわりにラグやウッドデッキ風仕上げを施す

●ペンダントライトや間接照明で浴槽を照らし、浮かび上がるように演出

●サイドテーブルや植物を配し、くつろぎの空間に

●洗い場と浴槽の床材を変えることで、ゆるやかに空間を仕切る

日常と特別の境界線

フリースタンディング浴槽は、浴室を「機能空間」から「暮らしのシーン」へと変える力を持っています。自由なデザイン、空間演出力、メンテナンス性など多くの魅力がある一方で、重量や配管など注意すべき点もあります。それらをクリアした先にあるのは、日常の延長ではない、自分だけの「贅沢な時間」。まるでスイートホテルのような非日常を日々の暮らしに取り込む―そんな「ホテルライク」な空間づくりを叶えてくれるのも、フリースタンディング浴槽の魅力です。浴室にゆとりのある空間を生み出し、照明や家具を取り入れられる自由度を与えてくれる存在として、上質な時間を演出してくれます。