なぜ鋳物ホーロー浴槽は環境に優しいの?

リサイクル率が高く、89%と優れているから

ビジネスホテルに多いユニットバスの浴槽は材質として、アクリルやFRPを使用しています。しかし、アクリルやFRPの主原料であるプラスチックは昨今の環境問題の深刻化によって使用が控えられています。では、浴槽の材料として何が環境に良いのかについてご紹介します。

環境に優しい浴槽の素材について

浴槽を選ぶときは材質の種類を押さえておく必要があります。材質の種類によって、浴槽の快適さ、掃除のしやすさなどが大きく異なります。ここでは浴槽の材質についてお伝えしますが、特に環境に優しい材質のみをご紹介します。

①ステンレス浴槽

ステンレスは環境に優しい金属の代表格です。錆びにくい材質を持ち、寿命がきても廃物にならず、ほとんどがリサイクルされます。現在、生産されたステンレスの約80%がリサイクルされていると言われるほどです。ステンレスは製品化にあたって、環境に負荷のかかる塗装も必要とせず、メンテナンスを必要としないので、非常に環境に優しいです。

そんなステンレス浴槽は、錆や傷に強いので表面の清潔感が保ちやすいという特徴があります。

②木製浴槽

木製浴槽は一見、環境に優しくないとイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。しかし実際には、調達する木材は長い歳月をかけてきめ細やかな森林の手入れが行われています。また、寿命を迎えたとしても、元が木材であるために容易に自然に、土に還ることが出来るのでサスティナブルと言えます。

木製の浴槽には、木ならではの香りや温もりが感じられるという魅力があります。ヒノキやヒバ、マキなど、使われる木の種類によって特有の味があるので高い人気を誇っています。

しかし、手入れが難しいというデメリットがあります。

③鋳物ホーロー浴槽

鋳物ホーロー浴槽は主に鋳鉄とガラスが原料になります。鋳鉄の主成分はリサイクルの優等生とされる鉄です。一般的な金属加工では切粉と呼ばれる屑が発生しますが、鋳造では金属を熱して溶かして成形するため、他の金属加工に比べると端材が出にくいです。また、表面のコーティングは天然素材の硅石(SiO2)が主成分で、そのリサイクル率は89%と優れています。そのため、鋳物ホーローは地球環境に優しい浴槽素材と言えるでしょう。

鋳物ホーロー浴槽は、蓄熱性の高さと清潔さが魅力です。