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浴槽にはどんな素材が使われているの?

当社で製造している鋳物ホーローのほか、広く普及しているFRPや、旅館で見かける木や陶器など、多くの材質があります

浴槽には、サイズ・材質・形状・カラーなど様々な種類があります。「どれが良いか分からない」「どれを選んでも大差ないのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、特に浴槽材質は、機能性や美観性・質感を大きく左右するため、充分に考慮する必要があります。

当コラムでは、浴槽に使われる材質について、それぞれのメリット・デメリットを分かりやすく解説いたします。

■浴槽材質にはどのような種類があるの?

浴槽に使われることが多い材質というと、FRPや人工大理石、あるいは旅館・温泉などで見られるヒノキなどがすぐ思いつくと思います。

浴槽の材質は、

  • FRP
  • 人工大理石
  • ステンレス
  • 陶器
  • ホーロー

など多くの種類があります。

では、それぞれどんな特徴があるのでしょうか?

詳しく解説いたします。


●FRP

FRP(繊維強化プラスチック)とは、プラスチック素材に繊維を複合させて強度を向上させた素材です。炭素繊維との複合材であるCFRPやガラス繊維との複合材であるGFRPなどがあり、両者はテニスラケットやバット、あるいは自動車・航空機の構造材としても使用されているなど、高い耐久性・耐衝撃性を持っている点が大きな特徴です。

このFRPを使ったFRP浴槽は、低コストなため現在の住宅浴槽で広く普及しており、デザイン・サイズのラインナップやカラーバリエーションは非常に豊富です。したがって、自分好みの浴槽形状・サイズ・カラーを選ぶことができます。また、肌触りが滑らかで、柔らかく温かみがあり、軽量・保温性・耐久性といった機能性も申し分ありません。もしも傷やひび割れが発生してしまった場合も、小さなものであれば簡単に修理することが可能です。

なお、FRP浴槽は、基本的に汚れ防止のためのコーティングがされていますが、経年劣化でコーティングが剥がれてしまうと、汚れがつきやすくなってしまいます。したがって、定期的な再コーティングが必要です。

●人工大理石

人工大理石は、FRPと同様に広く普及しており、デザインのラインナップやカラーバリエーションが豊富で、表面は滑らか、手頃なものからハイグレードなものまで価格帯が幅広く、根強い人気があります。FRPに対するメリットは、天然大理石のような高級感のある艶・光沢や温かみ、汚れや傷がつきにくく清掃性が高いという点が挙げられます。また、人工大理石はFRP浴槽より価格帯はやや高めです。

なお人工大理石のうち、ポリエステル系は性能や風合いがやや劣るものの比較的安価で、アクリル系(アクリルウレタン)は比較的高価ですが透明感・光沢があり肌触りも滑らかで、高い耐久性があるのが特徴です。

●ステンレス

在来工法が多かった一昔前までは採用されることが多かったステンレス浴槽ですが、ユニットバスが広く普及した今日では一般住居であまり見られなくなりました。ステンレス浴槽は、浴槽材質として最も安価である点が最大の特徴で、錆びや傷がつきにくく、変色しにくく、保温性が高いというメリットがあります。

しかし、シンクなどをイメージいただくと分かる通り、水垢が残りやすく掃除の手間がかかる、また金属特有の無機質な質感があり好みが分かれるという点には注意が必要です。最近では、底面にエンボス加工を施して金属特有の肌触りを抑えぬくもりを持たせたラインナップも登場しています。

●木

木のお風呂は、リラックス効果を得たい方に人気の浴槽です。温泉旅館のヒノキの露天風呂に入って「うちのお風呂もヒノキにしたいなあ」と思った方も多いのではないでしょうか?

木ならではの香りや温もりによるリラックス効果が木のお風呂の最大のメリットで、価格は樹種によってまちまちですが、最も高級で人気が高いヒノキの他にも、ヒバ、マキ、サワラなどがあります。

非常に魅力的な木のお風呂ですが、メンテナンス性は難ありで、手入れを怠るとカビが発生してしまいます。特殊な加工でカビを生えにくくした製品もあります。

●陶器

平安時代に始まったとされる信楽焼をベースにした陶器浴槽は、陶器ならではのしっとりとした肌ざわり、遠赤外線による高い保温性、高い強度と清掃性・メンテナンス性が大変重宝されています。もちろんサビの心配もありません。

ミネラルや金属を多く含む温泉水にも対応可能で、全国の温泉や旅館、銭湯で採用されています。価格帯が高めですが、カラーバリエーションは非常に豊富で、浴槽の材質にこだわる方に人気の浴槽の一つです。

●ホーロー

>>なぜ高級ホテルには鋳物ホーロー浴槽が採用されているの?

>>なぜ鋳物ホーロー浴槽は環境に優しいの?

ホーロー浴槽とは、鋳物や鋼板の表面に釉薬と呼ばれるガラス質の素材を焼き付けて仕上げた浴槽です。一般的にはあまり馴染みが無いかもしれませんが、実はポットや食器などにも使用されています。

ホーロー浴槽は、高級感のある艶・光沢や重厚感、見た目の美しさ、滑らかさを誇ります。また、保温性が極めて高く、汚れが付着しにくく清掃性に優れています。

>>なぜ鋳物ホーロー浴槽は保温性が高いの?

尚、ホーロー浴槽には、

  • 鋼板ホーロー
  • 鋳物ホーロー

という2種類があります。鋼板ホーロー浴槽はホーローの厚みが0.2~0.3mmほどであるのに対し、鋳物ホーロー浴槽は約1mmと重厚感があります。また、浴槽本体が蓄熱されることで、浴槽に接触している首や肩まで温められリラックス効果も極めて高いです。

■大和重工の浴槽

大和重工は、これまで日本国内の多数の高級ホテルにオーダーメイドの浴槽を納入してまいりました。

当社は、天保2(1831)年の創業以来、「たたら製鉄」 の精神を受け継ぎながら、鋳物をベースに一貫生産体制で各方面に事業を展開し社会に貢献してまいりました。五右衛門風呂の製造に始まり、現在では国内唯一の鋳物ホーロー浴槽メーカーとして、鋳物ホーロー浴槽を中心に製造・販売しております。

鋳物ホーロー浴槽の製造工程はそのほとんどが職人による手作業です。職人一人ひとりが「私たちの仕事の先には必ず使い手であるお客様がいる」という気持ちを常に持ちながら、190年以上にわたって鉄と向き合い、ひたむきに技を磨いてきました。

自社工場で、溶解から鋳物の成型、釉薬の振りかけ、焼成、検査まで、鋳物ホーロー浴槽の一貫生産体制を構築しており、これからも最高の品質で、より美しく、長く愛される浴槽をお届けしてまいります。

特に鋳物ホーロー浴槽については、厚さ約5mmの鋳鉄母材の上にガラス質のホーローが化学反応と、母材の表面をショットブラストで粗くすることにより密着しているため、容易に剥がれる心配はありません。そして鋳物表面に色付き釉薬、表面には透明釉薬を、合計3回に分けて釉薬をかけることで、光沢感や深み、重厚感、耐久性を向上させています。

■浴槽の納入実績

>>納入実績一覧はこちら

■浴槽のことなら、大和重工にご相談ください

いかがでしたでしょうか?

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